自虐の詩
自虐の癖が治らない
私は昔からお調子者で
みんなを笑わせるのが大好きだった
ただ、勿論だが「笑われたい」わけではない
プライドが異常に高いので
それを保つために努力でも出来ればよいのだが
なにせものぐさなので、なるべく楽な方楽な方にと流されてしまう
そこで登場するのが「自虐」である
自虐というのは非常に楽チンなのだ
人からツッこまれそうな事を相手よりカンマ1秒先に気付きさえすれば
さも数年前からわかっていたかのように振る舞うだけ
「自分が太ってるのに言うなって話だよね!」
「まぁバカだから仕方ないんだけどさ!」
と、先手を打てさえすれば
「誰かにツッこまれて、プライドを傷付けられる」という私にとって最も最悪な事態を免れる事が出来る
一つ問題なのはその最悪を免れることができた「だけ」だという事だ
「自分のツッコミどころ、自覚してますよ!」と振る舞うと
周りは勿論「あ!気付いて自分で言ってんだから、その話題はタブーじゃないのか!!」と安心し、
ある人は「まぁそうだよなぁ!」と賛同し
またある人などは「ホントだよ!お前はそういうとこあるよな!しかも◯◯も△△だし!!」などとご丁寧にアクセサリーを付けて返してくれたりする
そういう人は私のさらに七面倒な
「自覚してますよー!だからこの件はもう触れないでねー!!なんなら乙女みたいに『そんなことないよ!』的なフォローまで期待してますよー!」
という裏テーマなど勿論知る由もなく
半年後に会ってもしゃあしゃあと「君のすべらないネタ!これだよね!!」と話してくるし
相手は何にも悪くないし間違ってもいない
私が自分で自分の首を締めているのだが
それでも頑なに「わかってるんです」という布石を打ち続ける
突然傷付けられるよりはマシだという呪いから逃れられない
誰かに何かを期待されているわけでもないのに
プライドのせいで必要以上のホームランを狙ってしまうし
誰かに頼まれたわけでもないのに
訳のわからない責任感にかられ一人で必死に生きている事にいい加減疲れている
きっとこれは性分なので、どうせまた自虐を繰り返す日々が続くのだろうけれど
不可抗力な事はさておき
自分の努力で解決できるツッコミどころは、少しずつクリアしていきたい
それ位しか今はできる事がない気がしている