耕す

朝起きて

無意識にシャワーを浴び

無意識に朝食を食べ

無意識に家を出て、電車に乗り、乗り換え会社に

 

さして仕事量は多くないので

ぼーっとしている間になんとなく時間は過ぎる

 

 

SNS警備員なので誰かが香ばしい画像あげたり、イキったり

顔真っ赤にしたりしていないか逐一チェックし

 

見つけ次第友人にURLを送りつけるのが日課

 

気付いたら退勤時間となり

のろのろと電車に乗り込み

最寄駅のスーパーで黄色いシールの貼られた肉を買う

 

帰宅するなり晩御飯なのかエサなのかわからないものをボールに盛り

ブヒブヒと食らう

なんとなく掃除をしたり、明日の昼餌の準備をしたりしていると

あっという間に床につくべき時間

 

そしてそこから2時間は眠れない

 

 

 

 

本当に寸分狂わぬ、この通りの生活を送っている

 

そんな私が人の形を保っていられるのも

やはり紛れもなく推し神様のおかげなのである

 

 

相変わらずダイエットは言葉に出すだけで喉元に異物感を覚えるくらいノータッチだが

出勤時もどすっぴんな事はなくなり

日焼け止めは決して塗り忘れない

 

洋服も部屋着出勤から犬の散歩ルック(近所の人には会って良いレベル)へ昇格した

靴も随分手入れする様になったし、

そもそもスニーカーは半年で使い物にならないくらい履きつぶしていたので

(脱ぎ方が悪い、同じものを履き続ける等により)

そうならなくなっただけでも随分な成果だと感じている

 

ネイルもなるだけ剥げる前に塗り直しているし

くるぶしが石灰石まみれになる事もなくなった

 

 

全て、全て推しのおかげだ

 

 

相変わらず握手会に行けば肌の透明感に絶望し

折れそうな手と握手する時も「添えるだけ、添えるだけ、、、」と花道状態な訳だが

 

何せ、この人の恥になりたくない、という気持ちが全てだ

 

 

「こんなババアしかファンがいない」と思われたくない

 

 

「大人の女性からも支持されている」

 

その印象の為だけに存在している私

 

 

今日も荒地のような顔面をせっせせっせと耕す

 

 

 

ちなみに最近は

 

「肌の調子がいいのに化粧ノリが悪い」と「肌の調子が悪いのに化粧ノリがいい」

がなぜ起きるのかを研究している

 

 

それ以外は寿司の事以外考えていない